フィッチによる米国債の格下げと金利上昇は買いのチャンスになる
ここ数日、米国株市場がぎくしゃくしています。(2023年8月3日執筆時点)
その背景に、格付け機関であるフィッチが、米国債の格付けをAAAからAA+に1段階引き下げたことがあげられます。米国債の格下げによって、米国債価格が下がり(米国債金利が上がり)、それを嫌悪してマーケットは荒れ模様を呈しています。
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フィッチが米国株を格下げ
フィッチは、S&Pやムーディーズと並ぶ、大手格付け機関です。
もともと、今年の5月の時点でアメリカの連邦政府の債務上限問題を受けて、米国債の格付けを引き下げる方向で見直すというアナウンスは出されていました。
日本の金融政策正常化(金利上昇)をトレードする方法
前回書いたように、いよいよ日本のインフレ率はアメリカを上回る水準になりました。
* 日本6月CPI:日米のインフレ率がいよいよ逆転、日本株は業績相場へ
そこで今回は、将来的に金融政策の正常化を受けて、日本の金利が上昇した場合に、それをトレードする方法を検討したいと思います。
日本債券のショート
まずは、金利が上昇するのであれば、シンプルに債券をショートするという手が考えられます。
個人的にもトレードしているのが、日本債券ベアファンド(5倍型)です。
この投資信託は、あまり優れた投資商品だとは言えません。5倍のレバレッジをかけるので減価も激しく、
ポートフォリオの確認と投資戦略の更新
日々のニュースレターでも、結論として投資戦略への示唆を書いていますが、しばらくポートフォリオや投資戦略をまとめたようなレターは書いていなかったので、今回はそうした内容を書きたいと思います。
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米国債の保有を減らす
ガンドラック氏:債券は割安で値上がりも見込める、株式は割高
引き続き、ガンドラック氏のインタビューです。
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株式のバリュエーションは割高
株式市場について問われたガンドラック氏は、今の株式市場の歪な構造について指摘しています。
株式市場の話をするなら、セクターを分けなければならない。まず、S&P7がある。AIといえば株価が20%上昇するような偏った市場だ。それから、S&P493がある。こちらは直近追い風が吹いているが、数週間前までは年初から横ばいだった。
S&P7の筆頭格はエヌビディアでしょう。
米国小売売上高:2023年5月はマイナス成長を回避して、粘り強さをみせた
最近はお届けすべき著名投資家のコメントや他の重要指標等も多かったため、少し遅くなってしまいましたが、今回は先週発表された米国小売売上高を確認しておきましょう。
米国小売売上高は、アメリカの消費者の動向を知る上で重要な指標であり、前回4月の数値は成長が急減速して、いずれマイナス成長に陥りそうだということをお伝えしました。
* 米国小売売上高は前年比マイナスに迫る水準で景気後退を示唆
しかし、先週発表された2023年5月の数字は強く、プラス成長で踏みとどまりました。
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プラス成長で踏みとどまった米国小売売上高
2023年5月の小売売上高は、前年比+1.6%でした。
長期でみると下降トレンドが続いていますが、前回からは、
ガンドラック氏:おすすめのポートフォリオを公開、債券が多め
前回に引き続き、DoubleLine Capitalのオンラインセミナーから、ガンドラック氏の相場見通しをお伝えしていきます。
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マネーサプライの減少は、いずれインフレを低下させる
ガンドラック氏は、以前から米国のインフレは下げ渋ると発言していました。
* ガンドラック氏:FEDの予想する年末インフレ率3%は実現できず、インフレは高止まりする
今回も同様の発言は見られましたが、もしもFEDが今の引き締めを続けるのであれば、遅かれ早かれ、いずれCPIは下がってくるだろうとも述べました。
その根拠となっているのが、マネーサプライの減少です。
以下のグラフでは、
日本の消費者物価指数は前年比+3.5%へとインフレ加速
5月19日発表の国内消費者物価指数は前年比+3.5%で、国内のインフレが再加速していることを示しました。日本の金利には上昇圧力が働くこととなるでしょう。
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日本の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%
2023年5月19日に発表された国内の消費者物価指数(CPI)は、前年比+3.5%でした。前回の+
日本はGDPデフレーターでもインフレ率2%に到達、日本の金利は上がる
2023年5月17日に発表された国内GDPでは、GDPデフレーター(インフレ率)が前年比+2.0%となりました。これで、消費者物価指数に続いて、GDPデフレーターベースでも、日銀のインフレ目標である2%が達成されたことになります。
日本でもインフレが始まったことを受けて、今後、日本の長期金利はいくらか上昇すると思います。
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日本のGDPは前期比年率+1.6%
日本のGDPは前期比+
ドラッケンミラー氏:AI関連のNVDIAやMicrosoft株を購入
アメリカでは、大きな金額を動かしている投資家は四半期に一度、そのポジションを開示する必要があります。今回は世界的なグローバルマクロ投資家であるドラッケンミラー氏のポジションを見ていきたいと思います。
なお、ドラッケンミラー氏の経済の見立てについては、以下のニュースレターで紹介していますので、あわせてご覧ください。
* ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない
2023年1QはAI関連銘柄に積極投資
ドラッケンミラー氏は、2023年1QはNVDIAとMicrosoftを買い増して、AI関連銘柄に積極投資していました。彼はネットでは株式ポジションはほぼ0であると発言しているため、同時に他の株式をショートしているものと思われます。
ショートポジションは開示対象ではないので、具体的な銘柄を見ることはできませんが、彼が経済がハードランディングするという見方をしていることからも、NYダウやラッセル2000などの景気に敏感な指数や個別銘柄をショートしているのではないかと考えられます。
目先の投資戦略を再整理する
本日は、少し早いですが6月以降の投資戦略について考えたいと思います。
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3月〜5月相場のふり返り
まず、まだ5月は終わっていませんが、3月〜5月の相場をふり返っておきましょう。
本ニュースレターでは、2月末に米国10年国債金利が4%近くなったことから、米国債の買い増しを行ったことをお伝えしました。
* 米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始
今回、米国長期金利が4%近い水準に達したということで、債券の買い増しを開始しました。