マクロ投資戦略

グローバルマクロ戦略に基づいて、僕自身が行っている投資について報告したニュースレターのバックナンバー一覧です。
3月
13

シリコンバレー銀行が経営破綻、米国債金利は低下へ

シリコンバレー銀行が突如として経営破綻しました。 米国は利上げを行なっていますが、金利上昇によって保有している債券に含み損が出ている中で、取り付け騒ぎ(預金の引き出し)が起きると、これらの債券の売却・現金化を迫られて、含み損が実現損になってしまいます。それがさらに不安を喚起して、預金に引き出しが進むと、このループを止められずに、経営が破綻してしまいます。 これを受けて、他の銀行にも不安が広がっており、米国債の金利は大幅に低下しました。 毎朝メールで受け取る シリコンバレー銀行が経営破綻 米国テック企業などに積極的な融資を行っていたシリコンバレー銀行が経営破綻したというニュースが飛び込んできました。 ブルームバーグは、
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3月
08

2023年の3月〜5月相場はリスクオンで挑む

昨日のニュースレターにおいて、3月〜5月にかけて、今のインフレ警戒ムードが緩和して、金利が低下するのではないかという予想を紹介しました。 * 米国のインフレは、エネルギーのデフレの恩恵を受けて減速する可能性がある 簡単にふり返っておくと、昨年の3月〜5月はウクライナ=ロシア戦争の開戦を背景としてエネルギー価格が高騰していたため、そことの比較となる今年の3月〜5月のエネルギー価格は前年比が低く出てきます。例えば、原油価格が現状の80ドル程度で推移した場合、昨年の3月は110ドル程度でしたから、前年比は-27%程度となります。これがインフレの減速に貢献するのではないかという趣旨でした。 そうであれば、
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2月
27

米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始

直近のインフレ長期化の懸念を受けて、米国長期金利は3.947%と4%に近い水準となっています。これは昨年の11月近い水準であり、投資妙味があると考えたため、少しずつ米国債の買い増しを開始しました。 毎朝メールで受け取る インフレ長期化懸念から、米国長期金利は4%近い水準に 直近、米国経済が強いことを示す雇用統計などの経済指標が相次いでいることを受けて、インフレが長期化するという懸念が高まっています。インフレが長期化するのであれば、FRBの金融引き締めも長引くため、金利が上昇して、株価や債券価格は下落に見舞われています。 この辺りについては、
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2月
22

株式ポジションは小さめに、休むも相場

先日、いくらか株式のショートポジションを立てて、ロングポジションをヘッジしていることを書きました。 * 景気後退が今年の後半以降であれば、インフレ対策で株式ショート取引が必要か * 目先はインフレの長期化を意識した金利上昇リスク、長期では景気後退リスクに備える 現在、株式ポジションはネットで6%程度にまで下がっています。今後とも金利や株価の行方は先行きが不透明であるため、引き続き、米国株のポジションについては大きくいじることはないと思います。 毎朝メールで受け取る 今後の金利や株価の行方は不明 何度も書いているように、年初から下がってきた金利は、インフレ率の下げ渋りと連動して、下げ渋りをみせています。 今後の金利が上か下かが分かれば、
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2月
17

個別株投資で超過リターンを得るには、自分が「指名買い」しているものを考える

普段はマクロ投資について書いていますが、ちょうどマクロ経済環境について書くことがないため、今回は少し趣向を変えて、個別株投資について書きます。 毎朝メールで受け取る 個別株投資で超過リターンを得られるのはなぜか 個別株投資で超過リターンを得るのであれば、どうしてインデックスに勝てるのかという点について、しっかりとした理屈が必要でしょう。そうでなければ、ただのギャンブルに過ぎないからです。 個別株投資において、インデックス投資を上回るパフォーマンスを出しうる理屈は、トレーディングを除くと、基本的には以下の2つだと思います。 1. ミスプライスされている可能性が高いから 個別株、特に中小型株においては、きちんと多くの投資家が日々ウォッチして適正なプライスをつけているわけではありませんから、
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2月
13

目先はインフレの長期化を意識した金利上昇リスク、長期では景気後退リスクに備える

最近は、米国の経済状況の展開が目まぐるしいため、本ニュースレターにおいても、言っていることが変わったり、一貫性に欠けてしまっている部分もあるかと思います。 これは実際に経済環境の移り変わりがあることなので、仕方のないことでもありますが、やはり少し遠くを見て、しっかりとした考えを持ってトレードをするのが理想です。 そこで、今回は、直近の経済状況や市場の反応を振り返りつつ、今後のシナリオを改めて整理しておきたいと思います。 毎朝メールで受け取る 昨年後半から低下を続けた米国インフレ率 まず、こちらは何度も書いていますが、昨年の7月をピークに米国のインフレ率は低下を続けています。 こうしたインフレ率の低下を折り込むかたちで、米国債の金利が低下してきたのが、
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2月
07

景気後退が今年の後半以降であれば、インフレ対策で株式ショート取引が必要か

直近、アメリカのインフレ率は低下しています。特に、エネルギーや住宅価格などの「物の値段」が下落を続けています。一方で、雇用市場は非常に強く、人件費が主なコストとなる「サービスの値段」は上昇を続けています。 今年、「物の値段」のインフレ率が低下しているのは、昨年のインフレ率が高かったためであり、その恩恵が剥落してくると、米国インフレ率の低下は下げ渋り、あるいは再加速する可能性もありえます。その場合には、株式ショート取引が必要かもしれません。
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1月
31

$SPXSで米国株ロングポジションのヘッジを開始

ETFの$SPXS(S&P500の3倍ベアETF)で、米国株のロングポジションをヘッジする取引を開始しました。 僕のポートフォリオは米国長期債のロングポジションがメインであり、景気後退時の米国株下落はこれでヘッジできています。しかし、今週のFOMCで鷹派なメッセージが示されて金利が上昇した場合の米国株下落については、米国債ではヘッジになりません。 そこで、ポートフォリオ全体のリスクを落とす意味合いで、$SPXSによって米国株のロングポジションをヘッジします。なお、なぜ米国株を売らないかということですが、米国株は、基本的に長期保有の個別銘柄が多数であるため、短期的にこれを売買するということは考えていないためです。 毎朝メールで受け取る
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1月
24

フロンティア諸国株を利確して、景気後退トレンドに備える

これまでポートフォリオに10%ほど組み込んでいたフロンティア諸国の株ですが、昨日のニュースレターにも書いた通り、一度利益確定をして景気後退トレンドに備えることにしました(※1月19日に売却済み)。フロンティア諸国の株を売却することで得たキャッシュについては、一旦そのまま置いておき、必要に応じてポジションを立てることに活用する予定です。 毎朝メールで受け取る 景気後退を意識しはじめた米国株式市場 今回、フロンティア諸国の株式を一旦売却しようと考えた一番の理由は、昨日の記事に書いたように、米国株式市場が景気後退を意識し始めたためです。 * インフレ減速を示した12月米国PPIと景気後退を意識し始めた株式市場 個別企業の決算も追って整理していきたいと思いますが、新たにマイクロソフトのレイオフ等も報じられており、マーケットが景気後退を意識する流れになる可能性は上がってきたと言えるでしょう。このとき、フロンティア諸国の株式には2つの影響が考えられます。
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