米国マクロ経済

米国のマクロ経済環境に関するニュースレターのバックナンバー一覧です。
6月
02

米国実質マネーストックは、すでに2020年の水準まで減少している

現在、米国の中央銀行(FED)は、インフレ抑制のために金融引き締めを進めています。その進捗を確認する方法のひとつがマネーストックですが、インフレを考慮した実質ベースでみると2020年4月〜5月の水準まで減少しており、金融引き締めはあと一歩だと考えられます。 毎朝メールで受け取る 米国の金融引き締めは、まだ足りないのか 現在、米国の中央銀行(FED)は、インフレを退治するために金融の引き締めを続けています。FEDが行う金融引き締めは主に2種類あります。1つが利上げ、もう1つが量的引き締めです。
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6月
01

ドラッケンミラー氏:「年金は大丈夫」という政治家は詐欺師

さて、引き続き、ドラッケンミラー氏のインタビューをお送りしています。ドラッケンミラー氏は、以前よりドルに対してネガティブな見方をしていますが、その背景に深く入っていたので、今回はその部分をお伝えします。 毎朝メールで受け取る 債務上限問題よりも本質的な年金問題 まず、現在米国は債務上限問題で騒いでいますが、ドラッケンミラー氏はより本質的な問題を指摘します。 近い将来の2040年には、年金と金利の支払いが税収を超える。2052年には、税収の117%となる。 先進国は基本的に慢性的な赤字に陥っていますが、年金と負債の利払いだけでも赤字になってしまうというのは、根本的に構造問題を抱えていることになります。
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5月
31

ドラッケンミラー氏:景気後退で銅や住宅市場、AIに投資機会が訪れる

先週に引き続き、SOHN2023で行われたドラッケンミラー氏のインタビューの内容をお伝えします。今回は、ハードランディング後に何に投資をすべきかというテーマです。 毎朝メールで受け取る 銅(コモディティ) まず、最初にドラッケンミラー氏があげたのが銅です。銅の需要はもっとも逼迫しているといいます。 景気後退から回復するときには、コモディティの黄金期が訪れるだろう。銅は最も需給がタイトであり、私も勉強をしている。私は阿呆ではないし、景気サイクルで何が起こるかを知っているから、ハードランディングに向かっている現時点でポジションを持とうとは思わない。しかし、そこから回復するときには、電気自動車への動きや政府が後押しするであろうインフラストラクチャ法案の支出を考えると、
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5月
30

カンファレンスボード:2023年2Qから米国実質GDPはマイナス入りする

5月10日に全米産業審議会(カンファレンスボード)の最新GDP予想が公開されています。今回はそちらの内容をお伝えします。 毎朝メールで受け取る 第2四半期から実質GDPはマイナス入りする 最新のカンファレンスボードの予想では、第2四半期から年率換算した実質GDPは-0.6%とマイナス入りします。 第3四半期には-1.6%、第4四半期には-1.2%となるということで、第2四半期から米国経済の不調が始まり、それが続くことになります。これは先日、ドラッケンミラー氏が「すでに景気後退が始まっていてもおかしくない」
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5月
26

ドラッケンミラー氏:リーマンショック以上の危機が起きても不思議ではない

引き続き、ドラッケンミラー氏のSohn2023のインタビュー内容をお伝えします。今回はハードランディングのイメージについて話している部分をまとめています。 毎朝メールで受け取る ハードランディングの具体的なイメージ まず、ハードランディングとはどのような状況かと聞かれて、以下のように回答しています。 企業の利益が下がり、失業率は現在の3.4%から5%以上に上昇するだろう。経営破綻は、1880年以降で最も秩序のない経済状況のおかげで今はほとんど破綻がない。2008年と比べても全然低い。インフレかデフレかという点については非常に難しい。2年前はインフレ率が上昇することに確信があった。この前スタッフミーティングを行ったが、インフレ率8%
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5月
25

ドラッケンミラー氏:すでに景気後退が始まっている可能性もある

ソロスのポンド売りの裏の立役者であったりと、伝説のマクロトレーダーであるドラッケンミラー氏のSohn2023のインタビューから、何回かに分けて内容をお届けしていきたいと思います。 毎朝メールで受け取る FEDの歴史上最悪の失策が資産バブルを引き起こした まず、ドラッケンミラー氏ほどの伝説のトレーダーでも、現在の状況は、過去で最も難しい局面だとしています。 45年間、経済予測をしなければいけない仕事をしてきたが、今はどう考えても一番難しい時期だ。巨大な金融緩和と急激な変化があった。新型コロナが色々と状況を変えた。新型コロナから脱出したモメンタムは本物か偽物か、持続的かそうでないか。それからウクライナの戦争があり、中国の経済再開がある。だから、今はそれほど経済予測に自信がない。
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5月
24

チューダー・ジョーンズ氏:債務上限問題後の株価ラリーを経て、3Qに景気後退へ

1987年の株価大暴落「ブラックマンデー」を予測したり、2020年前半からのビットコイン投資を成功させたりと、著名なグローバルマクロ投資家として知られるポール・チューダー・ジョーンズ氏がCNBCに出演していたため、今回はその発言内容をお伝えします。 毎朝メールで受け取る 短期的には米国株は上昇余地がある まず、ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、短期的には米国株には上昇余地があるとしています。 我々は債務上限問題に対する恐怖があるため、その問題が去れば、株式は少し上昇するだろうし、債券は少し下がるだろう。なぜならリスクプレミアムが無くなるからだ。
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5月
23

米国小売売上高は前年比マイナスに迫る水準で景気後退を示唆

5月16日に発表された小売売上高は前年比+1.6%で、前年比マイナスに向かう勢いを見せました。過去には、小売売上高の前年比がマイナス入りする前後で景気後退が見られているため、いよいよ米国の景気後退は迫っているようにも見えます。 一方で、景気後退はある程度まで債券市場に織り込まれてしまっているため、今後は他のリターンの源泉を探してく必要もあるでしょう。 毎朝メールで受け取る アメリカの小売売上高は前年比マイナス水準に迫る 5月16日に発表された最新の小売売上高は前年比+1.6%でした。 この調子でいくと、早ければ第二四半期、遅くとも第三四半期には前年比でマイナスに陥るように思われます。
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5月
18

ドラッケンミラー氏:AI関連のNVDIAやMicrosoft株を購入

アメリカでは、大きな金額を動かしている投資家は四半期に一度、そのポジションを開示する必要があります。今回は世界的なグローバルマクロ投資家であるドラッケンミラー氏のポジションを見ていきたいと思います。 なお、ドラッケンミラー氏の経済の見立てについては、以下のニュースレターで紹介していますので、あわせてご覧ください。 * ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない 2023年1QはAI関連銘柄に積極投資 ドラッケンミラー氏は、2023年1QはNVDIAとMicrosoftを買い増して、AI関連銘柄に積極投資していました。彼はネットでは株式ポジションはほぼ0であると発言しているため、同時に他の株式をショートしているものと思われます。 ショートポジションは開示対象ではないので、具体的な銘柄を見ることはできませんが、彼が経済がハードランディングするという見方をしていることからも、NYダウやラッセル2000などの景気に敏感な指数や個別銘柄をショートしているのではないかと考えられます。
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5月
16

目先の投資戦略を再整理する

本日は、少し早いですが6月以降の投資戦略について考えたいと思います。 毎朝メールで受け取る 3月〜5月相場のふり返り まず、まだ5月は終わっていませんが、3月〜5月の相場をふり返っておきましょう。 本ニュースレターでは、2月末に米国10年国債金利が4%近くなったことから、米国債の買い増しを行ったことをお伝えしました。 * 米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始 今回、米国長期金利が4%近い水準に達したということで、債券の買い増しを開始しました。
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