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無難な3月米雇用統計:失業率の上昇は見られず、賃金インフレは順調に減速

4月7日に発表された雇用統計は無難な内容でした。

失業率は3.5%で前回の3.6%からほぼ横ばいとなりました。賃金の前年比上昇率は4.2%で前回の4.6%から約0.4ポイントの低下となりました。

失業率は3.5%で上昇は見られなかった


4月7日に発表された3月分の雇用統計では、失業率は3.5%で上昇は見られませんでした。

失業率の推移(2023年3月分まで)/ FRED

さて、失業率に関して、以前から債券王のガンドラック氏が指摘しているのは、失業率は最後に悪化する指標であり、それが悪化したときには既に景気後退に突入しているというものです。

また、失業率が過去12ヶ月の移動平均を上回ると、ほぼ景気後退が確実となります。現在の過去12ヶ月の移動平均は3.7%〜3.8%程度ですから、これを上回るとほぼ景気後退入りは確実となります。

労働市場が強いという意見があるが、労働市場は遅行指標で、いつも最後に悪化する指標だ。失業率はたしかに3.6%と低い。しかし、FEDは2023年末には4.6%になっていると予想している。それは12ヶ月移動平均を大きく上回っている。それは本当に景気後退を示す最後の指標だ。もしも失業率が12ヶ月移動平均を上回ったなら、景気後退は保証されたようなものだ。

今回はまだ3.5%と低水準でしたが、失業率が3.8%程度まで上昇したときには、いよいよ景気後退を強く意識する必要があるでしょう。

賃金インフレは順調に減速


賃金インフレ率については、前年比+4.2%となり、前回の+4.6%から4ポイントほど低下しました。

時給上昇率(前年比・2023年3月分まで)/ FRED

新型コロナ前の前年比+3%という水準までは、まだ少し距離がありますが、前年比+4%程度までの減速は十分に見えてきたといえるでしょう。賃金インフレが減速するであろうことを予想させる指標については、過去のニュースレターでも紹介してきた通りで、整合性のみられる結果となりました。

結論:インフレ第一波は収まりつつある


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