FOMCは0.25ポイントの利上げ、インフレとの戦いは一段落
2月のFOMCでは、予想通り0.25ポイントの利上げが行われました。今後については、FEDは声明で「継続的な利上げが適切」としていますが、同時にインフレについて「少し和らいでいる」としたため、鳩派であるとの受け止めが広がりました。
0.25ポイントの利上げは予想通り、今後は経済状況次第
FOMCでは、事前の市場予想通り、0.25ポイントの利上げが行われました。結果、FF金利は4.75%となりました。
今後については、FEDは5.1%程度まで利上げをするとしており、そうすると、あと2回程度の利上げが行われることになります。一方で、債券市場は利上げは、せいぜいあと1回であると予想しており、5%を超えることはないというシナリオを織り込んでいます。
FEDは、そんなに何か新しいことを言ったわけではなく、利上げは5.1%、今年中の利下げはなし、引き続き、金融引き締めが必要といった内容を話しましたが、FOMC声明では、インフレについて「少し和らいでいる」という文言もあり、パウエル議長も記者会見でそのように発言したため、利下げを期待する市場は、どちらかというと鳩派に受け止めました。この辺りは、以下のニュースレターで予想した通りだといえるでしょう。
FEDは0.25ポイントの利上げをしつつ、「すべては経済状況次第だ」といった将来の柔軟性を確保するようなコメントを出すことになると想定しています。債券市場は、それをどちらかといえば将来の金融緩和再開を示唆するものだと受け取るのではないかと思います。
金利は低下、株価は上昇
市場はFEDの姿勢を鳩派と受け止めたため、金利は3.4%ギリギリまで一段と低下しました。

それに伴い、株価も上昇しました。特に、高金利に弱いグロース株を中心に構成されるナスダック指数は大きく上昇しました。

楽観的に受け止めたがる投資家に対して、FEDが金融の引き締めを続けることを強めにコミュニケーションするリスクを考慮して、米国株のロングポジションを一部ヘッジしていましたが、その必要はなかったようです。
アマゾンやグーグル等の注目決算も終われば、特に直近のリスク要因もなくなるため、ヘッジポジションは外しても良いかなと思っています。
結論
強めの米国GDP等が出ていた中でしたが、FEDはそこまで鷹派のメッセージを出してきませんでした。また、市場も楽観的に鳩派と受け止めました。こうした動向を見ていると、インフレとの戦いは、いよいよ終わりが見えてきているなと感じました。
今後、インフレが意識されて金利が一時的に再上昇するとしたら、少なくとも先日のGDPよりもさらに経済的に強い数字が出てきた場合ということになるでしょう。しかし、1月の解雇ラッシュ等を見ていると、今後はどちらかというと経済が弱っていることが意識される数値が出てくるのではないかと思っているので、株価が下がるとしても、米国債で補完できると思われ、先日ヘッジとして建てた米国株ショートポジションは早めに処分する予定です。
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