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$SPXSで米国株ロングポジションのヘッジを開始

ETFの$SPXS(S&P500の3倍ベアETF)で、米国株のロングポジションをヘッジする取引を開始しました。

僕のポートフォリオは米国長期債のロングポジションがメインであり、景気後退時の米国株下落はこれでヘッジできています。しかし、今週のFOMCで鷹派なメッセージが示されて金利が上昇した場合の米国株下落については、米国債ではヘッジになりません。

そこで、ポートフォリオ全体のリスクを落とす意味合いで、$SPXSによって米国株のロングポジションをヘッジします。なお、なぜ米国株を売らないかということですが、米国株は、基本的に長期保有の個別銘柄が多数であるため、短期的にこれを売買するということは考えていないためです。

FOMCでは0.25ポイントの利上げと鷹派なメッセージを予想


FOMCでは、0.25ポイントの利上げが行われて、FF金利は4.75%になると思います。これは債券市場が織り込んでいるコンセンサス通りの数値です。

次に、今後については、鷹派なメッセージが出されると思います。というのは、米国GDPや雇用統計等、ここしばらく経済的には強いデータが出ているからです。

ここで、目先の利下げを期待させるようなメッセージを出した場合、長期金利を下落させて、せっかく順調に進んでいるインフレ率の低下に水を差すことになってしまいます。そのため、FEDがそのようなメッセージを出す可能性は低いと思います。これはサマーズ氏が述べていた通りです。

金融市場を見ていると、過去数ヶ月は金融緩和再開を織り込むように動いてきた。そうした動きは、FF金利だけを見ていては分からない、緩和的な影響を経済に与えている。FEDは金融政策を考えるにあたって、そうしたことも考える必要がある。だから、利上げの可能性を取り除くタイミングではないだろう。

実際に、WSJ誌でFEDウォッチャーとして知られるニック氏は、今回のFOMCでは強い雇用がインフレに与える影響が議論されるとしており、どちらかというと鷹派の議論がなされることが予想されます。

最終的には、ガンドラック氏のいうとおり、FEDは利下げに転じざるを得ないとしても、FEDが動くのは実際に悪い経済指標が出てきてからであり、今回のFOMCではないというのが僕の考えです。

債券は鷹派のFEDを十分に織り込んでいるか


では、FOMCが鷹派な姿勢を示してくるということを債券市場が十分に織り込んでいるかというと、そんなことはないと思います。直近でいうと、債券市場はデフレの可能性まで意識しはじめているということですから、FOMCが強い鷹派のメッセージを出した場合、一時的にはこれらが逆流して、一定の金利上昇と株価・債券価格の下落が起こる可能性があります。

もちろん、今回FEDが鷹派なメッセージを出したとしても、いずれFEDが後追いしてくるだろうということで、市場は相手にしない可能性もあります。しかし、その場合は何も起こらないという程度で、いまの水準からFOMCを契機に短期的にさらに金利が大きく下がったり、株価が大きく上がることは考えにくいと思います。

米国長期金利(2023年1月31日時点)/ Investing.com

つまり、今のマーケットはどちらかというと、FEDの態度変容(利下げ)を強めに織り込んでおり、それが裏切られることによるリスクの方がやや大きいということです。

結論


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