バックナンバー(2023年1月)

2023年1月に発行されたニュースレターのバックナンバー一覧です。
1月
31

$SPXSで米国株ロングポジションのヘッジを開始

ETFの$SPXS(S&P500の3倍ベアETF)で、米国株のロングポジションをヘッジする取引を開始しました。 僕のポートフォリオは米国長期債のロングポジションがメインであり、景気後退時の米国株下落はこれでヘッジできています。しかし、今週のFOMCで鷹派なメッセージが示されて金利が上昇した場合の米国株下落については、米国債ではヘッジになりません。 そこで、ポートフォリオ全体のリスクを落とす意味合いで、$SPXSによって米国株のロングポジションをヘッジします。なお、なぜ米国株を売らないかということですが、米国株は、基本的に長期保有の個別銘柄が多数であるため、短期的にこれを売買するということは考えていないためです。
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1月
31

サマーズ氏:FEDは将来の金融政策の柔軟性を確保すべき

元米国財務長官も務めたマクロ経済学者のサマーズ氏が、先日の米国GDPについて、Bloombergの番組でコメントしました。サマーズ氏は、在庫の増加などがGDPを押し上げていることを考えると、全体としてはコンセンサスを上回ったものの、このGDPの解釈は難しいという見方を示しました。また、FEDは将来の金融政策の柔軟性を確保すべきだとコメントしました。 毎朝メールで受け取る 米国GDPは内訳まで見ると判断が難しい 復習しておくと、米国実質GDPは前期比+2.9%(年率換算)で、コンセンサスの+2.7%
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1月
30

ガンドラック氏:景気後退で金利が下がり、インフレ率は4%で下げ止まる

ガンドラック氏が、UBSのイベントで行われたオンラインインタビューで、これまでよりも詳細に経済の見通しを語っていました。 ガンドラック氏が従来から述べていたことは、市場がインフレ率が前年比+2%程度まで下がることを織り込んでいるが、その場合はデフレまで陥ることになるというものでした。これに対して、ガンドラック氏自身のメインシナリオとしては、インフレ率は前年比+4%程度から下がらなくなってしまうというものであることが説明されました。 FEDは利下げに転じる 現在、FRBは何としてもインフレを抑え込むという鷹派の姿勢をとっており、FF金利を5%以上にまで上げたうえで、その状態を継続することを公言しています。 しかし、
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1月
27

米国実質GDPは予想を上回り、2022年第4四半期の経済が強かったことを示した

2022年第4四半期の米国GDPが発表されました。実質GDPは前期比+2.9%(年率換算)で、コンセンサスの+2.7%を上回りました。また、内訳を見ていくと、個人消費は予想を大きく下回ったものの、民間投資が前期比プラスを回復するなど、明るい要素も見られました。 今回発表されたデータは2022年10月〜12月のものなので、バックミラーを見ているようなものであり、今の足元の景気を示すデータではありません。とはいえ、
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1月
26

ガンドラック氏:アメリカのインフレ率は5月に4%まで下がり、債券市場はその後のデフレを意識している

ガンドラック氏は、年初のラウンドテーブルにおいて、「2023年6月に発表される2023年5月の米国CPIは前年比+4%程度まで下がるだろう」という見通しを示しました。 ガンドラック氏は、以前から前年比+2%までインフレ率が下がるのであれば、その勢いのまま前年比マイナスまで突き抜けて、景気後退に陥ると主張していましたが、改めてその主張を繰り返しました。加えて、その結果としてデフレにまで突入するというアイデアを債券市場が意識しはじめている点に興味を持っていると述べました。 毎朝メールで受け取る 今後のインフレ率にはベースエフェクトが働く ガンドラック氏が、今後のインフレ率が急速に下がる理由として挙げているのが「ベースエフェクト」
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1月
25

日本のインフレ加速を示した12月消費者物価指数(CPI)と金融緩和を続ける日銀

1月20日に発表された日本の12月消費者物価指数(CPI)は、市場コンセンサス通りの前年比+4.0%でした。これは前回の11月消費者物価指数の前年比+3.8%から0.2ポイントの増加となり、日本のインフレが加速していることが確認されました。 一方、日銀は先日の政策決定会合で長期金利の変動許容幅を±0.5%に据え置き、引き続き、金融緩和を継続する旨を発表しています。
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1月
24

フロンティア諸国株を利確して、景気後退トレンドに備える

これまでポートフォリオに10%ほど組み込んでいたフロンティア諸国の株ですが、昨日のニュースレターにも書いた通り、一度利益確定をして景気後退トレンドに備えることにしました(※1月19日に売却済み)。フロンティア諸国の株を売却することで得たキャッシュについては、一旦そのまま置いておき、必要に応じてポジションを立てることに活用する予定です。 毎朝メールで受け取る 景気後退を意識しはじめた米国株式市場 今回、フロンティア諸国の株式を一旦売却しようと考えた一番の理由は、昨日の記事に書いたように、米国株式市場が景気後退を意識し始めたためです。 * インフレ減速を示した12月米国PPIと景気後退を意識し始めた株式市場 個別企業の決算も追って整理していきたいと思いますが、新たにマイクロソフトのレイオフ等も報じられており、マーケットが景気後退を意識する流れになる可能性は上がってきたと言えるでしょう。このとき、フロンティア諸国の株式には2つの影響が考えられます。
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1月
23

インフレ減速を示した12月米国PPIと景気後退を意識し始めた株式市場

1月18日夜に発表された米国生産者物価指数(PPI)は、前年比+6.2%でした。これは市場予想の前年比+6.8%を0.6ポイント下回る数値で、アメリカのインフレが市場予想よりも急速に減速していることを示唆しています。 これを受けて、米国長期金利も3.3%台へと低下しました。これまで金利が低下すると米国債と一緒に上昇していた米国株ですが、18日夜は米国債は上昇、米国株は下落と明暗が分かれました。
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1月
20

ガンドラック氏:ハイイールド債のデフォルト率は今後上昇する

ガンドラック氏は、恒例となった年初のオンラインセミナーにおいて、ハイイールド債のデフォルト率は今後上昇するだろうとコメントしました。 その背景として、「ハイイールド債のデフォルト率」と連動する指標として「銀行の貸出審査基準の厳格化率」をあげた上で、後者が上昇していることから、前者が上昇するのは時間の問題であるとしています。 毎朝メールで受け取る ハイイールド債のデフォルト率は、銀行の貸出審査基準の厳格化率と連動する ガンドラック氏がオンラインセミナーで示したのは、以下のグラフです。 青線が米国銀行の貸出審査基準の厳格化率、つまり「お金を貸す基準を厳しくした銀行の比率」を示しています。それに対して、
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1月
19

日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第

1月18日(水)に日銀政策決定会合が行われました。前回の日銀政策決定会合において長期金利の変動許容幅が0.25%から0.50%に拡大されるというサプライズがあったため、注目が集まる中での開催となりましたが、今回は金融政策の変更はなく、長期金利の変動許容幅も0.50%に維持されました。 長期金利の上昇を促していた債券市場 通常、中央銀行がコントロールするのは超短期金利だけですが、日銀はイールドカーブコントロール(以下、YCC)と呼ばれる非伝統的な金融政策を採用しており、
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